仮面ライダーBLACK = 南光太郎が暗黒結社ゴルゴムを滅ぼしてから半年が過ぎた。その戦いで心身共に傷ついた光太郎は、おじの佐原俊吉の元に身を寄せる。そして彼の航空会社でヘリコプターパイロットの職を得て平和な日々を過ごしていた。
ある日、彼は光を発する3本の不思議な杭を目撃。杭を設置する怪人の目撃情報を得て調査を行う途中、怪魔界から現れたクライシス帝国の前線基地であるクライス要塞に拉致される。
そこでクライシス軍司令官ジャーク将軍よりクライシス帝国の尖兵となり、地球の全人類を抹殺することを要求されるが、光太郎はこれを拒否する。ジャーク将軍は光太郎のBLACKへの変身機能を破壊した上で宇宙空間へと放逐する。
宇宙空間へ投げ出された光太郎は、命の源である「太陽の石」=キングストーンが太陽光線を浴びて進化し、仮面ライダーBLACK RXとして生まれ変わった。自らの体の変化に驚くRXの元にかつての相棒・バトルホッパーもアクロバッターとして生まれ変わって駆けつける。
かくして、太陽の子・仮面ライダーBLACK RXとクライシス帝国との戦いの火蓋は切って落とされた。
『仮面ライダーBLACK』の主人公が強化されて続投する、という、シリーズ中でも異例の作品。昭和天皇の崩御による報道特番で、休止明けとなる11話以降の放送日は元号が平成へと移っているが、後年の『仮面ライダークウガ』以降のいわゆる平成仮面ライダーシリーズには含まれていない。
番組継続という扱いにしたのか字数の都合か理由は定かでないが、新聞のラジオ・テレビ欄の番組名表記は『仮面ライダーブラック』のままで(『仮面ライダーBLACK』最終回でも終了マークはつかず)、提供終了後に表示されたタイトルロゴも、当日ネットの地域では『仮面ライダーBLACK』のもののままであった。なお週遅れ放送で提供終了後タイトルロゴがローカル出しだったテレビ高知では、そのロゴが『RX』に変更されていた。
前作『BLACK』も含め、本作品は当初異なる世界観とされていたが、シリーズ終盤の第41話「百目婆ァの恐怖」より1号からZXまでの10人の歴代仮面ライダーが再登場したことにより、公式に『仮面ライダー』から『仮面ライダーZX』までの過去のシリーズの続編に位置づけられることとなった。
特徴
仮面ライダーの原点である「怪奇性」や「孤独なヒーロー像」の復活を狙った前作との差別化を図るためか、スーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズといった東映制作の他シリーズを意識した数多くの新しい試みが取り入れられ、前作とは異なるアプローチによる新しいライダー像の追求が行われた。
その一環として、原則としてキック技が必殺技であった当時の仮面ライダーシリーズでは初めて、剣や銃などの武器による攻撃をメイン必殺技として採用した他、専用バイクだけではなく専用車が導入され、さらにはバイクも含めた多段変身など、それまでの仮面ライダーとは一線を画す要素が取り入れられており、後年のシリーズにおける諸設定の先駆けとなった。
また人物設定でも、主人公である南光太郎の性格が前作のラストを感じさせないほど明るめに描写されたり、前作とは対照的に主人公の周囲を敵味方共に数多くのサブキャラクターが取り巻いているなど、「家族でも楽しめる」という前提の元に作品作りが行われている。但し、前作から続けて担当した監督の小笠原猛がはじめてRXの撮影に参加する際、倉田に対して「今の明るいままのライダーじゃいけない」と語ったという逸話からも窺えるように、スタッフ内部でもこの路線変更に対して意見が分かれており、物語の進行につれて光太郎が心の傷を残していることも描写されていくようになった。この他、前作には無かった戦闘員の登場や、シャドームーンの再登場によるライバルキャラの復活劇、そして敵幹部間の軋轢等、過去の石ノ森ヒーローの集大成とも呼べる要素も多く盛り込まれる形となった。
白倉伸一郎プロデューサーが東映に入社するとき本作を批判したことでも有名である。
キャスティング・スタッフ
南光太郎役の倉田てつをは2006年のインタビューで「BLACKがかなり高い視聴率をとっていたこともあって、僕を主人公にもう1年と言う噂は聞いていた。実際に決まった際は、2年間主人公を続けた人はいないのは知っていたからとてもうれしかった」とコメントしている。倉田の他飯塚昭三、高橋利道といった敵側のレギュラー、前作の終盤からナレーションを担当した政宗一成も続投している。
マリバロン役の高畑淳子は、当時劇団青年座の活動だけでは食べていけなかったことから、中田譲治の紹介で東映作品に参加していた。この作品で見せた彼女の演技は演劇関係者にかなり評価されたらしく、後年青年座の重鎮となってからのインタビューで当時を回想し「(RX出演がきっかけで)私は役者として食べていけるようになった」と述べている。また霞のジョー役の小山力也は、後年海外テレビドラマ『ER緊急救命室』における声の演技で一躍注目を浴び、これを契機として声優業を主体とした芸能活動を行っている。
スタッフの顔ぶれは基本的に前作と同じであるが、メインライターには前作『BLACK』の杉村升に代わり、東映や大映テレビ制作の作品を中心に活動していた江連卓が新たに起用された。またキャラクターデザインとして当時メタルヒーローシリーズにも携わっていた雨宮慶太や野口竜が参加。主題歌は前作の倉田に代わり宮内タカユキが担当、また挿入歌にはこの2名に加えそれまでの本シリーズでも主題歌を多数手がけた水木一郎が参加している。
TVシリーズの中断
本作品の終了をもってテレビシリーズとしての仮面ライダーの制作は再度中断し、歴代仮面ライダーの歴史をリセットした作品である『仮面ライダークウガ』(2000年)まで約10年の休止期間に入った。平成ライダーシリーズの制作放送局はそれまでの毎日放送からテレビ朝日に移ったため、2009年現在映像上で見る限りでは、『仮面ライダー』第1話から続く物語における最終シリーズになっている。
なお、本作品の続編としての仮面ライダーの企画自体は存在し、同時期に『機動刑事ジバン』に出演していた小林良平が主役として起用される予定であったことが、小林本人へのインタビュー[2]で語られているが、最終的に実現には至らなかった。
後番組は地域によって異なり、制作局である毎日放送は『板東英二のスポーツパラダイス』(近畿広域圏向けのスポーツ情報番組)、TBSは『噂の!東京マガジン』と、それぞれ1時間枠の番組を放送。また九州エリアの6局(rkb+・大分放送・長崎放送・熊本放送・宮崎放送・南日本放送)は同時間枠に『窓をあけて九州』(九州電力一社提供番組・1981年~)とJR九州一社提供番組を放送している関係上、10:30からの放送となった。なお毎日放送制作の全国ネット枠は、『地球ZIG ZAG』がスタートした11時台前半に移行することとなった。
主人公と支援者
南 光太郎 / 仮面ライダーBLACK RX
前作より引き続き登場する主人公。ゴルゴムを滅ぼして日本に平和を取り戻した後、おじである佐原の元でヘリコプター操縦士として新しい生活を送り始めた。新たなる侵略者であるクライシス帝国の襲撃により敗れ、BLACKへの変身機能を破壊されてしまうが、キングストーンと太陽光線の力により新たなる姿・仮面ライダーBLACK RXへと変身する能力を得る。
新しい生活の中で本来の明るく陽気な性格を取り戻すものの、ゴルゴムとの戦い、特に兄弟同然の秋月信彦(=シャドームーン)との戦いで負った心の傷が決して浅くないことを覗かせたり、孤独をひどく恐れたりもする。しかし平和を守る強い決意と仲間達の支えの下、クライシス帝国と戦う。
白鳥 玲子(しらとり れいこ)
光太郎の仕事仲間である女流カメラマン。後に彼がRXであることを知り、自身も空手を会得して戦いに身を投じる。
霞のジョー
クライシスによって改造された地球人で、改造手術のために過去の記憶を一切失っている。霞流拳法の使い手で、釵を得意武器としている。当初は光太郎への刺客として差し向けられるが、後に洗脳が解けた後は仲間になり、光太郎を兄貴と慕い共に闘う。戦いの中で重傷を負い、一時的に戦線離脱を余儀なくされるが、終盤にて再度復帰を果たす。
的場 響子(まとば きょうこ)
後半より登場した女子中学生。両親をクライシスに殺され、仇を取るために超能力を使えるようになろうと志す。特訓に励んだ結果、遂に水を操る能力を身に付けてRXに協力する。またアーチェリーも得意としており、その腕前でRXの窮地を救ったこともある。
周囲の人々
佐原 俊吉(さはら しゅんきち)
佐原 唄子(さはら うたこ)
俊吉は光太郎の勤める航空会社社長で、光太郎の叔父にあたる。唄子はその夫人。一時期光太郎は彼らの家に居候していたこともあるが、かつての立花藤兵衛、谷源次郎らのようにライダーに協力して戦うことは無く、光太郎がRXであることも最後まで知らされなかった。
佐原 茂(さはら しげる)
佐原家の長男。宇宙飛行士になる夢を持っている。当初より度々クライシスの陰謀に巻き込まれることが多かったが、中盤にて光太郎がRXであることを知る。
佐原 ひとみ(さはら ひとみ)
茂の妹。ガロニア姫の替え玉としてクライシスに誘拐されたこともある。
吾郎(ごろう)
佐原航空の食堂で働くコック。光太郎に協力してクライシスに立ち向かう一面を見せることもあるが、散々な目に逢うことが多い。だが、ガイナニンポーが仮面ライダー1号に化けていることをいち早く察知するなど、するどい洞察力を持っているという一面もある。
速水 隼人(はやみず はやと)
序盤のレギュラー格である警部補。常人離れした能力を持つ光太郎を不審に思って追い回すが、そのためにクライシスの作戦に巻き込まれ、散々な目に遭うことが多かった。
クライシス帝国
クライシス皇帝
1000年前に怪魔界に現れ、クライシス帝国を築き上げた謎の支配者。全能の神として恐れられ、その姿を見た者はいなかったが、最終回では巨大な顔だけの怪物という正体を現す。身体中に生えた無数のトゲの間から触手を伸ばし相手を絡め取る他、目や口などから放つ強力な破壊光線を武器とする。
地球攻撃兵団
ジャーク将軍
クライシス地球攻撃兵団の最高司令官。失敗した者には罰を与えるという厳格な面もあるが、部下を庇うこともあるなど温情に篤く、また出身を選ばずに人選を行う公平さも持ち合わせる。リーダーとしての意識も高く、ゲドリアン亡き後無断でガデゾーンが単独でRXに一騎打ちを仕掛けたことに関しては、ルールを乱したとして厳罰をもってのぞんだ。このような性格から、RXも最終決戦に際して「邪悪な皇帝に仕えたのがお前の不幸だ」と一定の評価を与えている。
皇帝から杖を与えられており、この杖から出るビームで仮面ライダーBLACKの変身機能を破壊した他、このビームを部下への罰としても使用している。最終決戦に際しクライシス皇帝によって改造され、最強怪人「ジャークミドラ」としてRXに戦いを挑んだ。
官房長ロボット・チャックラム
ジャーク将軍に情報を提供する役目を担うロボット。常に空中に浮遊しており、地球侵略のためのデータがインプットされているが役に立ったところがあまり見られない。英語交じりのしゃべり方が特徴。
四大隊長
地球攻撃兵団において、実際に戦闘や作戦の実行に当たる4つの部隊の隊長。いずれ劣らぬ実力の持ち主揃いだが、功名心の強さからかお互いに味方同士とも思えぬ言動を繰り返すことが多く、そのために失敗に終わった作戦も少なくはない。
海兵隊長ボスガン
ナイトの称号を持つ四大隊長の1人。怪魔界一の剣の使い手で、「電磁波剣」などの技を駆使しRXと度々剣を交えた。ヘルメットのような頭部の額には小さな人面がある。非常にプライドが高く、ロボットであるガテゾーンや純粋なクライシス人ではないゲドリアンを見下し、内心ではジャーク将軍の失脚後の地位を狙っている。また騎士然とした立居振舞の一方、その性格は非常に狡猾で卑怯な手も平気で使う。
度重なるRXの作戦妨害に業を煮やし、ロボライダーの装甲をも切断する「怪魔稲妻剣」を作らせ自らRXに挑むも、結果的には霞のジョーを戦線離脱に追い込むのみに留まっており、怪魔稲妻剣もジャーク将軍に折られてしまった。
諜報参謀マリバロン
貴族出身の四大隊長の1人。異次元空間を何百年も漂流し、百数種類の妖魔力を身につけた女戦士で、変身能力も持っている。戦闘時にはその妖術のほか、兜の黄金の羽根とビーム鞭を操っての攻撃を得意とし、怒りが頂点に達すると目が赤く輝く。
反目しあうことの多い四大隊長の中にあって比較的ガテゾーンとは仲が良く、共同作戦を行なうことも多い。また帝国への忠誠心は厚く、その妖術と様々な策略で光太郎を苦しめた。終盤ではRXに片目を傷つけられアイパッチを着用することとなったものの、四大隊長の中では最後まで生き残った。
機甲隊長ガテゾーン
四大隊長の一人で、出自不明のロボット。モノアイの頭部と革ジャン姿が特徴で、頭部を分離させてボディのみを動かすこともできる。戦闘ではショットガンを使用するほか、愛用するバイク「ストームダガー」を駆り、部下の怪魔ロボットと共に戦うこともある。地位よりもRX打倒を優先する性格で、暴走してスクラップにしたスクライドを復活させたり、最後は、隊長の座を捨て、ダスマダーと組んで入手したクライシスチャージャーで強化された「ネオストームダガー」で勝負に臨んだ。
牙隊長ゲドリアン
四大隊長の1人。小柄な身体と身軽かつ素早い動きを活かした戦法を得意とする。怪魔界一暗くて寒いゲドラー域の出身であり、太陽の光にあふれる地球に住む人類を憎んでいる。このような出自から、自身を大隊長に取り立てたジャーク将軍に対して並々ならぬ恩義を抱いており、地位に対する執着は他の3人以上に強い。また自身と同じく生粋のクライシス人でないガテゾーンとも組むことが多かった。
その他
ユーロ ドラゴン セカンド ナビラッコ バリヤ サーチ天延 セスカーナ ユッカ 京いも パレス レオタガ オマーン フライト リポジ ピンク チャコール サドルシ ライト じゃじゃん シキミ エッジ カチュ クロロ 学園天国 ソワレ ダイレーザ ハンサム シート ニアピン ロハス ラナン ソコン かすかわ 星のフラ シューズ フーズ トレーサー ターピース ルカラー 天羽 シャープ パオトウ くずまき マミー スウェ フォトカ そけい メトニミ フランス スリーエム
ダスマダー大佐
遅々として進まない地球侵攻に痺れを切らしたクライシス皇帝が派遣した査察官。皇帝の威光を笠に着て居丈高に振る舞う上に、作戦の失敗は逐次皇帝に報告する為、ジャーク将軍や四大隊長との仲は険悪だが、彼の登場でジャーク将軍と四大隊長達の結束が強まった面もある。その一方で戦闘力を初めとした実力も高く、身軽な身のこなしと愛用のサーベルでRXに度々挑む。またRXの弱点がキングストーンであることを突き止めるなど、RXの弱点を把握することも怠らない。その正体はクライシス皇帝の分身であることが終盤になって明かされ、クライス要塞の内部での戦闘を経てクライシス皇帝としての真の姿を見せる。
ガロニア姫
クライシス皇帝の娘で、うなじに皇帝の娘の証であるホクロがある。また強力な念動力を使うことも出来る。クライシス帝国の次期皇位継承者として皇帝の細胞の1つから生み出され、養育係であるムーロン博士の指揮の元、クライス要塞内で特殊な成長促進光線を当てられて養育されていた。
誕生して3ヶ月で6歳まで成長していたが、あるチャップのミスによって光線発生装置が故障した影響で消滅してしまう。養育係であったマリバロンとムーロン博士は替え玉となる少女を探し出し、消滅した事実を隠蔽しようとしたが失敗に終わり、ジャーク将軍が皇帝に対しガロニア姫はRXによって暗殺されたと嘘の報告を行う結果となった。